篤史さんの声にいらだちが帯びる。最強の総長を相手に、普段ならきっとここまでの反抗はしないはずだ。

篤史さんも、AXISのことを真剣に考えている。怖いけど、それは確かだろう。

「琴葉……お前はずるい」

耳元で、ルナがみんなに聞こえないようにささやく。肩に、手をかける。

「お前が俺を、変えちまう気がするんだ。女を守るなんて、俺には二度とできないと思っていた。だが俺は、お前を…」

ルナの赤い目が、私を見つめる。全身が熱くなる。彼のオーラに圧倒され、飲み込まれていく。

「愛が知りたいなら、嫌ってくらい、身体に教えてやるよ」

篤史さんが「おいっ、ルナ!」と言いかけたとき、ルナは私に顔を近づけた。