将冴さんの表情からにやつきが消える。

「なんですか?」
「ルナは“超”女嫌いだからさ。多分、最初は琴葉のこと嫌うと思うんだ」

それは知らなかった。

てっきり総長なら、十人くらい美人な彼女がいるイメージなのに。

「ルナさんに認めてもらえなかったら、どうなるんですか?」

将冴さんは少し考える。

「大丈夫。俺が説得する。琴葉が家に帰れない辛い事情があんの、目を見てりゃ分かるしさ」

将冴さんは私の頭をなでる。

それが気持ち良すぎて、、

会ってまだ少ししか経ってないのに、将冴さんが本当のお兄ちゃんに見えてくる。

「お、着いたぜ」