瞬間、知らない天井が目の前にあった。

視界が霞んでいる。温かい何かが、ほほを流れる。

指先でそれを拭う。

私いま、泣いてるんだ。

「よかった! 気がついたんだね!」

蓮がいた。そこで意識がはっきりとする。

「ここは?」
「病院のベッドだよ」

蓮の隣には将冴さんと颯太君もいた。

二人とも心配そうな顔をしている。

直後に、強烈な頭痛。いつの間にか着替えていた入院着は汗でぐっしょりだ。

「どれくらい眠ってたの?」

起き上がろうとすると「無理しないで!」と颯太君が止める。