胸がドキッとした。痛いほどの感覚だ。

「四年間、君がルナのことを愛していたのは分かっている。だけど、君には僕が必要だ。そして僕には、君が必要なんだ」

肩が震える。動悸が止まらず、不思議なくらい動揺していた。

ダメだよ蓮。そんなこと言っても、私は今でもルナが…

それから私は、返事もろくにせず、御手洗いに立った。

洗面所で冷たい水で顔を洗う。

知らなかったとは言え、こんなタイミングで言うなんて。

蓮とは四年前に別れた。それから大学で勉強する以外は、滅多に一緒にいなかった。

ルナと私の関係を、蓮なら分かっていたはずだ。それでも四年間、ずっと私を好きでいてくれた。

蓮ならきっと、他にもっといい子もいたはずだ。

それなのに、なんで蓮は…

私なんかを、想い続けるの…?