時計を見ると、20時をまわっていた。

「あっ、そうだ! ごめん! 私、友達とご飯に行く約束があるんだ!」

すっかり忘れてた。集合時間もとっくに過ぎてる。

「そうだったの? わりぃ、突然おしかけて」

「ううん、いいの。ねぇ、二人も来ない?」

将冴さんは微笑む。

「水差すようで悪いだろ? おとなしくしてるわ」

颯太君もうなずく。

「分かった。じゃあ行ってくるから」

大急ぎで服を着替える。

「あそこのタンスと、むこうのクローゼットは絶対に開けないでね」

「うん。了解」

「あと向かいのレストラン。Owieczkaってとこ。あそこのラム肉すごくおいしいから夕飯に食べてみて!」

「おっ、あんがとな!」