「麗於さんは明日来るんでしょ? 他のみんなは?」

「篤史も明日の夜には来るよ。陽葵ちゃんも一緒に。すげぇ楽しみにしてたし」

「慧さんはどうだろうね?」と颯太君。

「メールしたら行きたいとは言ってたな。めんどうな用事があって、厳しいかもともいってたけど」

「できればみんなと会いたいね。また…」

あのときのように。そう言いかけて、言葉を飲んだ。

“あのとき”のようには、もう無理なんだ。

毎日、ご飯を一緒に食べて、同じ屋根の下で暮らした。

もう二度と、私がいた頃のペコのメンバーがそろうことはない。

「ちなみに“あいつ”は今、行方不明だぜ」と将冴さん。

空気が少しピリッとする。

「……梟夜さん?」

将冴さんはうなずく。

「GLEAMは梟夜を失ってすぐに解散した。思い返せば、GLEAMは梟夜だけが桁違いの強さだった」と颯太君。

ペコに乗り込んできたことも、銃を向けかれたことも覚えてる。けど、一番印象に残っていたのは、最後に私に残したあの言葉だ。

将冴さんは「明日のコンクールは世界中で中継されるんだろ?」ときく。

「うん」

「だったら、梟夜もどこかで琴葉の演奏を聴くんだろうな。なんとなくだけど」