夜、私はまた、トイレの窓から外へ逃げ出した。

あのときと違うのは、今日のうちに戻ろうと決めていたこと。

ルナに会えたら、少しでも話せたら、それだけで私は満足だった。

「あった! ここだ!」

ペコの前にたどり着く。迷子になるか不安だったけど、思ったより家の近くにあった。

そういえば、小さな子供の足でも行ける距離だった。

正面の入り口は閉まっていた。中には入れない。

「みんなを起こそうかな? でも迷惑なんじゃ…」

上を見ると、私がいた部屋の窓が開いていた。

「あそこから、入れるかな?」