真っ黒な高級車に乗せられ、私は約1ヶ月ぶりに家へと帰った。

門の前には、たくさんのマスコミがいた。

車は門を抜け、家の敷地へ。

「ルナ、大丈夫?」

私は隣に座るルナにハンカチを差し出す。

「おい、勝手にしゃべるな」とGLEAMの隊員。

ルナが睨むと、その人はビクビクと体を震わせた。

私とルナは梟夜達に連れられ、家の中へと入った。

……懐かしい。

たった1ヶ月なのに、体感では何年もいなかった気がする。

ペコの何倍もある広さだ。内装も豪華だし、家事も執事達がいて、お皿洗いひとつしなくていい。

だけど、お父さんとお母さんがいなくなってから、この家はどうしようもなく寂しくなってしまった。

私は学校からこの家に帰るのが、いつも苦痛で仕方なかった。

お兄ちゃんの部屋に入ると、お兄ちゃんはタバコを吸いながら待っていた。

「おぉ、琴葉っ!!!」