「梟夜…」

ルナが梟夜の前に立つ。

「俺も連れていけ…」

梟夜はルナをにらむ。

「ダメだ。暴れるつもりだろ…?」

ルナは首をふる。

「約束する…」

梟夜はニヤリと笑う。その瞬間、凄まじい勢いでルナの顔を殴った。

「っ…!!」

ルナはよろめいた。殴られた唇から血が流れる。

「ほう…」

梟夜は何発もルナを殴る。ルナは抵抗もせず、耐える。

震えて……見てることしかできなかった。

ルナが膝をつくと、私は思わず、ルナの前に立った。

「もういいでしょ…!?」

また梟夜は微笑む。

「二人を車に乗せろ…」

梟夜が部下に命令する。

男達はルナを立たせ、連れていく。

「大丈夫だ琴葉。俺が守る…」

ボロボロになりながら、ルナは私の手を握り、ささやいた。

私もルナの側を離れなかった。