私がピアノを弾けなくなったと分かると、お兄ちゃんの態度は一変した。

まるで、ピアノを弾けない私を無理やり操ろうとするかのように、暴力をふるい出したのだ。

それは最初は些細なげんこつだった。それがエスカレートし、今では身体中がアザだらけだ。

『死ぬまでお前は、お兄ちゃんの奴隷だからな…』

あとでお兄ちゃんが海外で、私がピアノで稼ぎ、両親が貯金していたお金を不正に使い、お酒と女に溺れた自堕落な生活を送っていたと知った。

けどそのときには、顔馴染みの執事もみんな、お兄ちゃんに買収されていた。

「そうだ琴葉。久しぶりにこいつで遊ぼうぜ」

その言葉に、私は動揺を隠せなかった。

お兄ちゃんははんだごてを取り出す。