それからは地獄だった。きっと共感性羞恥心の人には耐えられなかっただろう。
「あの?」
陽葵さんのめちゃくちゃ困った顔。
篤史さんは陽葵さんを呼び止めてから、五分近く黙っていた。
「あいつ女々しすぎんだろ!」
将冴さんが笑った。
私は心の中で50回くらい「頑張れ!」と唱えている。
「ここ、これ、これを…」
篤史さんはハンカチを差し出す。
「あっ! これ失くしてたやつ! ありがとう! 拾ってくれてたんだね!」
陽葵さんは満面の笑みを見せた。笑うと子供みたいで可愛い。
「でも俺、焦がしちまって…」
「えっ?」
「ハンカチ……その、洗濯して、アイロンかけたら…」
陽葵さんは焦げた跡をみる。
怒るかな? そう思ってたら、クスクスと笑った。
「全然いいよ。焦げた跡がお魚みたいで可愛いもん」
そのとき、ハンカチからチケットが二枚、地面に落ちた。
「あの?」
陽葵さんのめちゃくちゃ困った顔。
篤史さんは陽葵さんを呼び止めてから、五分近く黙っていた。
「あいつ女々しすぎんだろ!」
将冴さんが笑った。
私は心の中で50回くらい「頑張れ!」と唱えている。
「ここ、これ、これを…」
篤史さんはハンカチを差し出す。
「あっ! これ失くしてたやつ! ありがとう! 拾ってくれてたんだね!」
陽葵さんは満面の笑みを見せた。笑うと子供みたいで可愛い。
「でも俺、焦がしちまって…」
「えっ?」
「ハンカチ……その、洗濯して、アイロンかけたら…」
陽葵さんは焦げた跡をみる。
怒るかな? そう思ってたら、クスクスと笑った。
「全然いいよ。焦げた跡がお魚みたいで可愛いもん」
そのとき、ハンカチからチケットが二枚、地面に落ちた。