ルナはペコでコーヒーを飲んでいた。スマホをいじり、何かを見ている。

「ルナ?」

後ろから近づく。ルナが見ていたのは、世界中の人が投稿できるSNSだった。

『琴葉ちゃん、どこ行っちゃたんだろう…』
『もう死んじゃってるのかな?』
『誘拐犯、許せない…』
『また琴葉ちゃんのピアノが聴きたいよ』

琴葉と検索するだけで、たくさんの投稿がされているようだった。

どれもこれも、私を心配するものばかり。

「琴葉?」

ルナは私に気がつく。

「それ、SNS…」

ルナはスマホをしまう。

「今日の夜、デートしないか?」
「え?」

ドキッと、胸が銃で打たれる。

「俺のバイクに乗せてやるよ」