「それからすぐに、母ちゃんが死んだ。すげぇ悲しかったけど、俺は残された妹達を守ろうと思った。高校も辞めて、必死で金稼いで、今はあいつらを大学までいかせんのが俺の夢なんだ」

将冴さんは「わりぃ…」といって涙をぬぐった。

そうなんだ。だから将冴さんはいつも笑ってるんだ。

妹達は今、全寮制の学校で頑張っているらしい。

「きっと妹さん達、将冴さんのこと大好きですよ」

私が言うと、将冴さんはうれしそうに笑った。

「ありがとな! 俺も妹のこと大好きだ!」

将冴さんは私の頭をなでる。

「琴葉も妹みたいなもんだしな!」