「俺達でこいつをGLEAMに引き渡すんだ。そうすればGLEAMとの抗争は終わり、ルナさんも引退を取り消すだろ?」

……そういうことだったんだ。

将冴さんは肩を震わせる。

「お前らが本当にルナのことを尊敬してんなら、なんでルナの決断を信じてやれねぇんだよ!」

将冴さんは幹部達に詰め寄る。

「じゃああんたは、ルナさんがいなくなってもいいのか?」

将冴さんはその一言と同時に、

バキッ!

私の髪をつかんでいた幹部を殴った。

「いいから琴葉を離せや。さもねぇと最高幹部の名のもと、てめぇらに粛清をくわえる」

こんなに怒った将冴さんは初めて見た。

「うるせぇ!」
「やっちまえ!!」

五人は将冴さんに飛びかかる。

将冴さんは狼のような殺気を帯び、迎え撃った。