「俺たちみたいな、どうしようもないガキには、いつだって導いてくれる大人が必要だった。だが学校の教師も、町を守る警察も、俺達を害虫のように扱うだけで、まともに話も聞いてくれない…」

幹部達はシンと静まり返る。

不良であるみんなが大人達にどんな扱いを受けてきたのか、その表情を見るだけで分かる気がした。

「だから俺が、そいつらの居場所を作ってやりたいんだ。そしてもう二度と…」

ルナはうつむいた。そしてみんなには聞こえないくらい小さな声で呟く。

「俺や、姉さんのような悲劇を生まないように…」

ルナは席を立った。

騒然とする幹部達に、麗於さんは「すでにルナの決心は固い。本人が言っている以上、我々では変えられないのです」と説得した。

「次期総長は、赤鬼将冴に任命します。空席となる赤の最高幹部は、幹部の中から選定します。以上…」