「この町の警察がどれだけ腐ってんのか忘れたのか? 俺や颯太が、あいつらのせいでどんな目にあったか…」

颯太君がうつむく。二人の過去は詳しくは知らかったけど、辛い何かがあるのは確かだった。

「篤史の言うとおりだ…」

将冴さんが言う。

「ルナだって、警察がやくざの言いなりでなく、まともに機能していれば、ルナの姉さんもあんなことには…」

そこまで言って、口を閉じる。姉さんと言う言葉に、ルナの肩が震える。

「分かってる。でもだからこそ、俺は警察になって、この町を変えたいんだ」

ルナの声に力がこもる。