思わずそんな声がもれた。

夜空に色とりどりの花を咲かせ、一瞬のうちに散る。するとまた、次の花火が打ち上げられ、それもすぐに散っていく。

「なんで、花火ってこんなにキレイなんだろうね」

私が言う。その手は、ルナの手を握る。

「夜空に、一瞬だけ咲くからじゃないか?」

ルナがこたえる。

「儚いからこそ、美しいものってあると思うんだ。永遠に続かないからこそ、俺達はその一瞬の光を、美しいって思える」

花火が終わると、会場は一気に片付けに入った。

屋台も撤収し、桃燈の光も消えていく。まるで夢から覚めるように。

「ほら、帰るぞ」

ルナは私の手を引く。

最近のルナは、どんどん私に優しくなっている。思えばお姉さんの写真を片付けてから、ルナは見違えるほど明るくなった。

けど、みんなといられるのも、あと七日だ。終わりも近い。

それはまるで、一瞬のうちに花を咲かせ、散っていく運命にある花火のように。