「慧さん、申し訳ないけど、少しだけ二人にしてほしいの」

護衛にきてるから、すんなりいくとは思えないけど。

「その必要はないと思うよ」と蓮。

「慧は僕側の人間だからね」

その言葉に、私は目を見開いた。

「どういうこと?」

「全部、知ってるんだよ。僕が今日、琴葉を呼び出したのも。だから護衛は慧が申し出た」

信じられない気持ちだった。

慧さんを見る。こらえるように、唇を噛んでいる。

「すまない…」

慧さんが言う。

「もしかして、蓮に私の居場所を教えたのも…?」

慧さんは気まずそうにうなずく。

「あまり慧を責めないでほしい。彼には彼の理由があるんだから」