店が閉店になって、私はようやく夏祭りに行きたいと言い出せた。

麗於さんは賛成してくれたけど、夜、ルナ達は大切な会議があるらしい。

「じゃあ、僕が行くよ。会議に出ても、頭が悪いから何を言ってるのかさっぱりだし」

颯太君が言う。

「では颯太に…」

「いや、俺が行く」

慧さんが言う。

「颯太は琴葉と一緒になって祭りを楽しむだろうからな。護衛どころではない。俺なら何の感情も抱かず、琴葉の護衛に徹することができる」

メガネをクイっと上げる。

「では、慧に頼みましょう」と麗於さん。

「どうせ祭りだったら、浴衣着てけば?」と将冴さん。

「いいですね。知り合いの呉服店にお願いしてみましょう」