疑う様子もないのが、心を痛めた。

私が作ったと言えば、ルナは何でも残さず食べてくれた。

「隣座れよ」

ルナがベッドに腰かけ、うながす。

「うん」

言われた通りにする。ルナはココアを手に取る。

無性にいたたまれない気持ちになる。

「背中のそれ、すごいよね」

私が言う。

「入れ墨って初めて見たから、最初はびっくりして」

ルナは口をつけようとしていたマグカップを離す。

「子供の頃、親父に無理やり入れられたんだ」

ルナの表情が暗く沈む。

え? 無理やり…?