悩んだ末、私はルナにココアを持っていくことにした。

本人が嫌がっていても、薬の力に頼ることになっても、こうしないとルナのためにはならない。

そう自分に言い聞かせて。

「ルナ、入っていい?」

部屋をノックすると、中からまたブツブツと話すルナの声が聞こえた。

もう一度ノックすると「なんだよ」と声が聞こえた。

私は中へ入る。

と、思わず「わっ!」と言う声がもれる。

ルナは上半身裸だったからだ。

「いい加減なれろよ」とルナ。

「ごめん」と私はココアを机に置く。

「眠れないないって言うから、作ってもってきたの。リラックスできるし、いいと思って」

白々しい嘘だ。けど、ルナは微笑んだ。

「そうか。ありがとな」