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『帰りたくないよ…』

小さな私がペコで泣いている。夜が深まり、窓から月の光が射す。

『お母さん、心配して待ってるよ』

赤い目の男の子が言う。

『お兄ちゃんとお別れしたら、二度と会えないんでしょ? 私、そんなの嫌…。それに今帰ったら、きっと怒られる…』

赤い目の男の子は困った顔をした。すると『待ってて』と奥へ行き、何かを取って戻ってくる。