『たすくの苦悩』

「――うん、そうだよね。
わかるわかる。悪いのは全部俺。
ミーナちゃん、ホントごめんね。
いや、だからね、埋め合わせはできないの。
う……ま、そういうふうにとってもらっても構わないよ。
ああっ! ごめんって!
大丈夫。ミーナちゃん、可愛いからすぐ新しい彼氏できるって!
そう、俺はダメ。それは、きかないで?
うん、うん、相談はさ、乗るから。
でも、もう、体の相手は勘弁して欲しいんだ。
うん、ほんとごめんね。じゃあね」

 …………。

 あー、もうダメだあ、疲れたあ。
 うう、あと56人もいるよお。

 今日は、とにかく、ダメ。疲れた。

 うげ。もう3時だあ。
 明日は、キョンとドッキドキ初デートの巻なのに。

 もう寝よう。キョンのこと考えながら寝てしまおう。

 明日、何処行こうかなあ。何処がいいかなあ。いきなりホテルは駄目だろうなあ。

 はう。楽しみすぎて眠れなくなってきた。

 それにしても、俺、キョンと初めてあった日からシてないんだよね。
 俺、明日我慢できるかしら。とかく、我慢に関しては苦手なんだよねえ。

 中学から今までずっと大量生産してきたのに、ここにきて初めてのおあずけだかんね。 ……下半身ぶっこわれないか、心配だわ。

 ギャー!
 もし、もしもよ。キョンとそーゆーことになったときに使いモンにならなくなってたらどーしよお!

 それは駄目!
 一人で……はしたくない。絶対にしたくない!

 だからといって、残りの56人のコに頼むわけにもいかないし!

 あー! どうしよお!