もうこれ以上、許さない

マスターの驚き声で、ハッと気付くと…

涙が勝手に、あたしの頬を伝ってた。


「うそなんでっ…
ごめんっ、なんか自分の事と重ねちゃって」
慌てて手で拭いながら…
風人の事で泣いたんじゃなく、昔の傷を思い出して泣いたふうを装って。

「ごめん、今日はもう帰るねっ?」
まだたっぷり残ってるシャンディガフを、一気に飲みあげようとした。

「わ〜待った!
俺は席外すから、ゆっくり飲みなっ?
そんで足りなかったらまたなんか作るし、飲めなくなったらちゃんと残すこと!」
そう言ってマスターは…
照明をさらに落として、BGMを大きくして、氷を作り始めた。

ありがと、マスター…
その優しさに、再び涙があふれ出す。


もう、なんでっ?
付き合って長いって事は、相手は玉城さんに違いなくて…
そんなの想定してた事じゃん!
だいたい、玉城さんの会社で働いてるんだから別れてるはずなかったのに…
それに4年も経てば、結婚に進展するのも当然なのに…

第一、あたしは風人の記憶にも未来にも絶対存在しないのにっ…
なのになんでっ!?

なんでこんなにショックなの…?