もうこれ以上、許さない

「心配しなくても、言うつもりないから」
不機嫌そうな声で言い捨てながら、背中を向けて…
店内に入っていった。

うそ、怒ってる?
ていうか、なんで怒るのっ?


「待ってよ誉っ」
すぐに追いかけて、店内に入ると。

「えっ、月奈ちゃん!?」
レジ前のお客さんから、聞き覚えのある声をぶつけられて…

固まる。


恐る恐る振り向くと…
やっぱり風人!

「うそ…
なんで、ここにっ?」

「いや俺、あのラーメン屋でスーパーの店長さんと仲良くなってさっ。
いい飲み屋知らないか訊いたら、ここ息子がやってるって教えてもらってさぁ」

なるほど、迂闊(うかつ)だった!
近くて美味しいから、店長もあのラーメン屋をよく利用するだろうし。
そんな事訊かれたら、息子の店を紹介するに決まってる。

「そ、そうなんだ〜」
愛想笑いで取り繕いながらも。
この男のフレンドリーさを侮ってた!と、心の中で頭を抱える。


その時。

「そーゆう月奈ちゃんは、彼氏と」
風人の視線がチラリと誉に向いて。

「わあああ!」
語尾をかき消しながら、とっさにその口を手で塞いだ。

「ごめん風人(●●)っ、説明は明日…」は休みだから「っ今度するから、今は何も言わずに黙って帰って」
すかさず小声で懇願すると。