もうこれ以上、許さない

それから数日後。

肉じゃがのお礼がしたいと、誉からCyclamenに誘われて…
お礼なんかいいよと断るも。

〈じゃあ諌のおかげで肉じゃがにありつけたから、売上協力のお礼に付き合ってよ〉

そう返されたら断れなくて…
結局、誉におごられる羽目になる。


だけどCyclamenを目前に、ふと気付く。

「ていうか、飲みに行く時間があるなら食べる時間くらいあったんじゃないの?」

忙しくて食うのもまともに出来てない、と言った誉にそう突っ込む。

「…うんでも、1人だとつい仕事に没頭しちゃって」

なるほど…
と納得したところで、さらに気付く。

「待って誉っ」
入ろうとした誉の腕を掴んで、慌てて店外に連れ戻した。


「えっ…なに?」

「肉じゃがの事、マスターに言うの?」

途端、誉の顔が不満げになる。

「…諌には知られたくないんだ?」

「だって…」
あたしたちの関係、どう説明するつもり?
そう訊こうとした矢先。

扉の窓から、その向こうにあるレジに立ったマスターが見えて…
思わず、誉の腕から手を離した。

すると、それを察した誉は大きくため息をついて…