(いさむ)、まだ受け付けてくれるクリーニング屋知らない?
明後日着るんだけど、明日は県外イベントで行く暇なくてさ」

隠れ家BAR『Cyclamen(シクラメン)』にやって来るなり、マスターにそう訊く誉って呼ばれてる人。


「いやどこも無理だろ。
あっ、でも1件知ってる」
とマスターから手のひらを差し向けられたあたしは…

「えっ」とこっち向いた誉って人に、戸惑いながら会釈をした。


「月奈ちゃん、クリーニング屋で働いてんだよ」

「はい。
うちでよければお預かりしますよ?」

「ほんとにっ!?
うわ助かる…
お願いしますっ」

「はいっ。
じゃあ明日、ここに持ってくればいいですか?」

「そうしてもらえると有り難いけど、何時になるか…
あっ、じゃあ連絡先聞いてもいい?」



そうして後日。

助かったお礼にと、食事に誘われたあたしは…
「いえ、自分の仕事をしただけなので」と、お断りしたものの。

それが気に入ったらしく。
何度断っても、度々食事に誘われるようになり…
バーで会えば、一緒に飲む羽目になり…


ある時、突然。

「じゃあさ、食事がダメなら…
俺とセフレになってよ。
俺も、誰とも付き合う気ないからさ」