箱崎桃にはヒミツがある

「日曜日、仕事が入ったんだろう」
と言い当てられる。

「あ、でも、見合いの話の方が先なんで」

「頑張ってきた来島さんや他のスタッフの思いを無にする気か。
 行け」

 俺のことは心配するな、と言われてしまう。

「いや、でも……」

「他の見合いも自分で断る。
 お前の力を借りなくても大丈夫だ」

「えっ?
 でも、申し訳ないです……」

 なんだかんだで、貢には奢ってもらったり、奢ってもらったり、奢ってもらったりしている。

 ……うん。
 ずっと奢られてるな、と桃は気がついた。

 でも、それもこれも、私との見合いで他が断れると思ってのことだとしたら。

 どうしようっ、と焦った桃は言っていた。

「じゃ、じゃあっ、私と付き合ってることにしてみてはどうでしょうっ」

 ……今、とんでもないことを口走ってしまったような。

「あ、いやっ。
 そこまでして他の見合い、断らなくていいですよねっ。

 じゃあ……」

 代案もないまま、じゃあ、とまた急いで言ったとき、貢が言った。