箱崎桃にはヒミツがある

「はあ、面倒見のいい人なので……」

 いつも一番喜んでくれて、叱ってくれる人だ。

「あの業界でのお母さんみたいな人です」

「……あの若いイケメンにそんなこと言って、殴られないのか」

「いや、本人に向かってはさすがに言ってないんで」
と桃は苦笑した。

「ともかく、見合いの日もバッチリ……」
と言っている間に、スマホにメールが入ってきた。

 来島だった。

『桃っ。
 すごい仕事が入ったわよっ。

 あのCM見て、幾つか話が来たんだけど。

 ひとつ、大きな仕事があって。
 とりあえず、この日曜に顔合わせして……」

 うわー。

 今、バッチリって言っちゃったしっ、と思いながら、慌ててスマホの画面を切ってしまおうとしたとき、貢がガッと桃の手首をつかんだ。

「……来島さんだな」

 やはり、刑事!?

 見えてないはずなのにっ!