箱崎桃にはヒミツがある




 夜、桃はあの屋上庭園に呼び出されていた。

 月夜の晩。

 とても屋上とは思えない緑溢れる庭園は、ところどころ灯りに照らし出されていて、幻想的だ。

 小さな滝から水が流れ込んでいる池には赤い橋がかかり。

 その橋の上に貢はいた。

 木の橋を歩くと、ことんことんと靴音がする。

 桃はゆっくり貢に近づいていきながら、なにやら決闘でも始まりそうな緊迫感だ……、と思っていた。

 今日はみんなに、
「CM見たよ。
 おめでとう」
とか、

「よかったよ。
 やっとモデルっぽくなったね」
とかお祝いの言葉をいただいたのだが。

 ……いや、やっとモデルっぽくなったね、はお祝いの言葉ではない気もするのだが。