箱崎桃にはヒミツがある




 南端のカフェか。

 此処、入ってみたかったんだよな。

 抹茶系のデザートなどの和のテイストも強いが、アジアンな屋台のメニューなんかもある。

 待ち合わせの相手を探すように、そっと店内を覗いていると、
「なにしてるんだ?」
と後ろから声がした。

 貢が立っていた。

「あ、お疲れ様です。
 じゃなかった……こんにちは。

 いえ、ちょっと待ち合わせした人を探してて。

 誰かわからないんですけど」

「誰かわからない奴と待ち合わせるな。
 っていうか、お前が待ってるのは、俺だ」

「え?
 先生が『みつぐん』なんですかっ?」

「……誰だ、みつぐんって」

 来島は勝手に心の中で呼んでいる名前で言ってきたようだった。