貢は、お前と相席か……という顔をしながらも、ひとつ空けて隣に腰を下ろす。

 このテーブルは、大きな観葉植物を囲んだ円形のテーブルで、グループか、相席で座ることが多いらしく、椅子はたくさんあった。

「いいのか、ガッツリ、イタリアンとか食って」

「昼だし。
 ガッツリは食べませんから」
と言いながら、桃はサラダが来たので、雑誌を閉じた。

 貢は桃が片付けているファッション雑誌を見ながら、
「お前が出てるのか?」
と訊いてきた。

「いえいえ、私は雑誌とかにはあまり」

「なんでだ?」

「……間近にカメラ見ると緊張するんで」
と白状して、どんなモデルだ、と言われてしまう。

 貢がこいつ、本当にちゃんと仕事してるのか? という顔で見ているのに気づいた桃は、つい、

「見に来られますか? 今度のショー」
と訊いていた。

「まだ事務所にチケットあるかもしれません」