箱崎桃にはヒミツがある

 


 一緒に橋を渡りながら、桃は貢に訊いてみる。

「そうだ、先生。
 先生には秘密って、ないんですか?」

「俺か?
 俺の秘密はお前を好きなことだ」

「言ったら、秘密じゃないじゃないですか……」
と桃は小さく笑った。

 両親たちのところに戻り、貢が言う。

「娘さんをください」

 だから、まだ自己紹介もしてません、と全員の顔に書いてあった。