「この見合い、もう無理だろう。
 みんなで美味いものでも食べて帰ろう」
(はな)から諦めたように言ってくる。

 いつか歩いたあの赤い橋の前で桃たちと待ち合わせていた。

 貢はやってきた桃に向かい、呼びかける。

「箱崎桃」

 あ、と桃が微笑み手を振ろうとした瞬間、貢は言っていた。

「俺と結婚してくれ」

 いや、まだ、自己紹介もしてないんだが……という顔を双方の両親はしていた。