昨夜、程よく酔った桃は貢とベリーヒルズビレッジの中をぐるぐると歩いていた。
酔い覚ましにちょうどいい感じの夜風が吹いていたからだ。
「モデル仲間に、今度見合いするって言ったら、あんたも結婚に逃げるのって言われたんですよ~」
ロンドンの街にあるガス灯風の街灯が、ぽつぽつと木と並んで続いている。
その灯りを見上げて、桃はそう言った。
すると、貢は、
「なにが逃げだ。
結婚こそ戦いだ。
その過酷さをお前は知らないのか」
と言ってきた。
いや、先生、結婚したことあるんですか……?
と思う貢に、桃は、
「逃げずに戦え」
と言われてしまう。
いや、戦闘物か。



