箱崎桃にはヒミツがある

「で?
 昨日は、なにがあったのよ」

「え――」

「あんたがこんな時間まで寝てるなんて。
 みつぐんとなにかあったんじゃないの?

 みつぐん、なにやら焦ってたからね~、この間」

 ……先生、なにを焦っておられるのでしょうね、と思いかけた桃は、ハッとする。

「そういえば、おかしな夢を見ましたよ。
 みつぐん先生の」

「おかしな夢ってどんな夢よ」

「それが、みつぐん先生に戦えっ! って言われたり。
 断崖絶壁の上で、殺人の告白をされたりする夢で……」

 そう言いかけ、桃は気がついた。

「違う。
 夢じゃない……」

 桃は朝日の差し込むベッドルームで、昨夜の出来事を思い出そうとするように、額に手をやった。