箱崎桃の朝は、一本の電話で始まる。
「あんた、まだ寝てんの?
起きてー。
もう起きてー。
顔がむくむわよーっ」
と言う来島の電話でだ。
「今日、昼から顔合わせなのに、なにむくんでんのよ」
と見てもいないのに、むくんでいると決めつけて来島は言ってくる。
桃はベッドから起き上がれないまま、
「……今日、仕事入ってましたっけ?」
とぼんやりと訊く。
「さっき入ったの。
だから今、電話してるの」
はあ、ありがとうございます、とぼうっとしたまま、桃は来島には見えていないのに頭を下げた。
「白湯はどうしたの?
代謝上げてってっ。
私の送ったアサイーはっ?」
「……えーと、あ、下に届いてるかもしれないので、あとで取りに行きます」
と言って、
ちゃんと食べてよーと言われる。



