箱崎桃にはヒミツがある

 


 桃の部屋は玄関を開けてすぐ、開放的な造りになっていて、右手がキッチン。

 左手が広いリビングになっていて、仕切りはない。

 そして、キッチンの前には小さな庭があった。

 そこをみて、貢が言う。

「あ、あれ、いいな」

「え?」

 貢が見ていてたのは、庭に置いているラタンのハンギングチェアだった。

「いや、欲しかったんだが。
 どんなもんかなと思ってて」
と言う貢に、

「あ、乗ってみられます?」
と言って、桃は中に入り、庭へと続く大きなガラス扉を開けた。

 貢が少し遅れてやってくる。

「私、服を片付けてきますから、その間、揺れててください」

「……幼児か」
と言いながらも、貢は庭に出たようだった。