箱崎桃にはヒミツがある




 桃がレジに並ぶと、貢も二、三冊の専門書を手にやってきた。

「これから何処か行くのか?」
と訊いてくる。

「はい。
 ちょっといつもと違う感じの服を見に行こうかと」

「……なにか出かける予定でもあるのか?」

「はい。
 お見合いが」

 ……あなたとの、と桃は思う。

「お見合いってどんなの着てったらいいのか、わからなくて。
 先生、見立ててくださいますか?」

 お見合い相手本人に見立ててもらったら、間違いない気がして、つい、そう訊いてしまう。

「軽く意味がわからないが。
 まあ、いいだろう」
と言う貢とともに、いつも行かない感じのお店を覗きに行った。