死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?

「この中にはいないみたいだな」


そう言って厚彦はアルバムを閉じて、次のアルバムへ取りかかる。


「でもさ、カナさんの卒業時期を調べて、次はどうするつもり?」


「住所を調べて、家に行ってみる」


「住所なんてどうやって調べるの?」


そう聞くと、厚彦はなんでもないようにアルバムの裏側を開いた。


そこには連絡用に生徒たちの個人情報が載せられている。


「あ、そっか。昔はアルバムに住所が載ってたんだっけ」


自分たちの時代にはすでに廃止されていたため、すっかり忘れていた。


「そうだよ。それでアルバムを転売するやつとか出てきたから、廃止になったんだ」


「ふぅん」


確かに、アルバムに住所や電話番号が載っているのは便利だと思う。


疎遠になってしまった友人ともすぐにつながることができるし。


けれど、個人情報がお金になるとわかった今、それは危険な行為だった。