死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?

☆☆☆

手がかりはカナという名前と、50年前の生徒ということだった。


それだけを持ち、梓は職員室へと向かった。


職員室のドアを開けると顧問を持っていない先生が2人ほど残っているだけだった。


「あの、すみません」


梓がおずおずと声をかけると、1年生の担任をしている女性教員が気がついて近づいてきた。


「なにか用事?」


「あ、えっと。あたしたち……じゃなくて、あたし、新聞部の広中と言います。今学校の歴史について調べ物をしていて、それで、昔の卒業アルバムがあれば見せていただきたいなぁと思って……」


これは職員室に来るまでに2人で考えた設定だった。


新聞部というのはもちろん嘘だ。


「あらそうなの? ちょっと待ってね、どのくらい古いアルバムがいいの?」


「できれば50年前とか、その辺のがいいです」


カナさんは50年前にここの生徒だった。


何年生で亡くなったのかまではわからなかったが、その周辺のアルバムを見ればわかりそうだ。