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手がかりはカナという名前と、50年前の生徒ということだった。
それだけを持ち、梓は職員室へと向かった。
職員室のドアを開けると顧問を持っていない先生が2人ほど残っているだけだった。
「あの、すみません」
梓がおずおずと声をかけると、1年生の担任をしている女性教員が気がついて近づいてきた。
「なにか用事?」
「あ、えっと。あたしたち……じゃなくて、あたし、新聞部の広中と言います。今学校の歴史について調べ物をしていて、それで、昔の卒業アルバムがあれば見せていただきたいなぁと思って……」
これは職員室に来るまでに2人で考えた設定だった。
新聞部というのはもちろん嘘だ。
「あらそうなの? ちょっと待ってね、どのくらい古いアルバムがいいの?」
「できれば50年前とか、その辺のがいいです」
カナさんは50年前にここの生徒だった。
何年生で亡くなったのかまではわからなかったが、その周辺のアルバムを見ればわかりそうだ。
手がかりはカナという名前と、50年前の生徒ということだった。
それだけを持ち、梓は職員室へと向かった。
職員室のドアを開けると顧問を持っていない先生が2人ほど残っているだけだった。
「あの、すみません」
梓がおずおずと声をかけると、1年生の担任をしている女性教員が気がついて近づいてきた。
「なにか用事?」
「あ、えっと。あたしたち……じゃなくて、あたし、新聞部の広中と言います。今学校の歴史について調べ物をしていて、それで、昔の卒業アルバムがあれば見せていただきたいなぁと思って……」
これは職員室に来るまでに2人で考えた設定だった。
新聞部というのはもちろん嘘だ。
「あらそうなの? ちょっと待ってね、どのくらい古いアルバムがいいの?」
「できれば50年前とか、その辺のがいいです」
カナさんは50年前にここの生徒だった。
何年生で亡くなったのかまではわからなかったが、その周辺のアルバムを見ればわかりそうだ。



