死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?

「そんなにダメって言うなら、これから先もずっと囁き続けるぞ?」


厚彦の言葉に梓はギョッとして目を見開いた。


「冗談でしょう?」


「本気だ。授業中も、寝てる間もず~っとだ!」


そう言う厚彦はどこか楽しげな表情をしている。


梓の反応を見て楽しんでいるに違いない。


「そ、そんなことしたらただじゃおかないから!」


梓も負け時と言い返す。


しかし、厚彦には自分から触れることもできない状態なのだ。


ただじゃおかないと言っても、梓に仕返しをすることは難しい。


それを理解しているようで、厚彦はニヤニヤ顔を崩さなかった。


「あっそ。じゃあわかった。俺はこれからずっと梓に囁き続けるよ。カナさんと助けてほしいって」


その言葉に梓はグッと喉に言葉を詰まらせてしまった。


言い返したいが、それだけはやめてほしい。


今日みたいに倒れてばかりいたらシャレにならない。


「……わかった。手伝うよ」


梓は観念して、そう言ったのだった。