誰かいるのかと思ったが、誰もいない。
屋上に出られる灰色のドアがあるだけだ。
「ねぇ、どうしたの?」
梓が聞くと、厚彦が慌てた様子で「屋上に向かって!」と、言い始めた。
「え?」
「早く!」
せかされて梓は階段を上がる。
といっても、屋上へ出られるドアは鍵が閉まっているため、出ることはできない。
「鍵がかかってるから無理だよ」
梓がそう言うと厚彦は返事もしないまま灰色のドアをすり抜けて屋上へと出ていた。
(すり抜けられるんだ!)
目の前の光景に驚く梓。
でも考えてみれば当然だ。
厚彦は一定距離を離れたら、気がついたら梓のそばまで戻ってきている。
間に扉や影があったって、関係ないのだ。
屋上に出られる灰色のドアがあるだけだ。
「ねぇ、どうしたの?」
梓が聞くと、厚彦が慌てた様子で「屋上に向かって!」と、言い始めた。
「え?」
「早く!」
せかされて梓は階段を上がる。
といっても、屋上へ出られるドアは鍵が閉まっているため、出ることはできない。
「鍵がかかってるから無理だよ」
梓がそう言うと厚彦は返事もしないまま灰色のドアをすり抜けて屋上へと出ていた。
(すり抜けられるんだ!)
目の前の光景に驚く梓。
でも考えてみれば当然だ。
厚彦は一定距離を離れたら、気がついたら梓のそばまで戻ってきている。
間に扉や影があったって、関係ないのだ。