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幽霊ってみんなこんなに能天気なんだろうか?


厚彦は本当に死んだらしい。


だけど生前と同じように悪ふざけをしているし、なんらかの未練を残しているようにも見えない。


学校まで戻ってきた梓はひと気のない廊下まで移動して厚彦を睨みつけた。


「ちょっと、どういうつもり!?」


「どういうって?」


厚彦はキョトンとしている。


梓が怒っている理由が本当に理解できていないみたいだ。


その態度に呆れてため息を吐き出す梓。


「お葬式の時にあんなことしないでよ!」


梓がそう言うと、ようやく怒っている理由を理解したようだ。


厚彦はケラケラと声を上げて笑った。


「あれ、ウケたろ!?」


「ウケた……けど、そうじゃなくて!」


危うく梓は葬儀中に爆笑してしまうところだったのだ。


厚彦にはしっかりと反省してもらわないと困る。