死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?

厚彦はずっとここにいるのだけれど、玲子には見えていなかった。


「本当に、ビックリだよね……あんなに元気だったのに」


玲子の目にキラリと光る物が見えた。


それほど仲良くなかったといっても、厚彦はクラスメートだ。


悲しくないわけがなかった。


そう思うと、梓の目の奥もジンッと熱を持ちはじめた。


(今は隣にいるけど、明日の葬儀が終わればいなくなるんだ……)


そんな気持ちが浮かんできて、グスッと鼻をすすった。


「おい。俺はまだここにいるぞ」


厚彦が覚めた表情で梓を見つめる。


しかし、梓は返事をしなかった。


もちろん、今は玲子がいるからだ。


ここで返事をしていたら、変な人と思われてしまう。