死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?

☆☆☆

夕方になると来客があった。


同じクラスの杉田玲子(スギタ レイコ)だ。


梓とは高校に入学してから仲良くなり、今日は学校を無断欠席したのを心配してきてくれたのだ。


「なんの連絡もなく休むから心配したんだよ」


梓の部屋でハートクッションに座った玲子が言う。


「ごめんごめん。連絡するの忘れてたの」


梓は素直に謝る。


厚彦のことがあって連絡し忘れたのは本当のことだった。


「でも風邪とかじゃなくて安心した」


玲子は本当に安心したように、梓が出した紅茶を一口飲んだ。


「心配かけてごめんね」


「んーん。あたしも、普段ならそんなに心配しないんだけどさ……」


そう言って言葉を切り、カップを見つめる玲子。