「厚彦くんはなんて言ってるの?」


「このままほっとくと、マミちゃんは悪霊になるかもしれないって」


「悪霊……」


呟き、玲子はうつむいた。


「どうにかできないのかな。いつも通りマミちゃんを成仏させてあげたい」


玲子の言葉に梓も頷いた。


それは梓も同じ気持ちだった。


ただ、今日の出来事を考えると、いつものように簡単ではないことは明白だった。


マミちゃんに接触するにはかなりの勇気が必要だ。


また今日と同じことになる可能性だって十分にある。


「どうすればいいんだろう」


考え込んでいると、不意に厚彦が「そうだ」と声を出した。


「何かいい案があるの?」


「明日、マミちゃんの家に行ってみるのはどうだ? 本人から話が聞けないから、その周辺から聞くしかないだろ」


確かに、そのとおりだ。


厚彦の提案を玲子へ話す。


「それなら、あたしが場所を知ってるよ」


玲子はそう言い、頷いたのだった。