廊下を歩く時も、階段を降りる時も厚彦は梓の隣にピッタリとくっついている。
狭い空間でも、厚彦の体は梓の体を通り抜けるから平気だった。
(これって体半分が幽霊に被ってる状態なんだよね……)
階段を下りながら、厚彦がいる右側だけスッと寒くなるのを感じていた。
そういえば、昨日厚彦がベッドの下にいたときも冷気を感じたのだと思いだした。
「この辺で待ってて」
梓は階段を下ったところで厚彦へ言った。
この辺にいればトイレの音を聞かれる心配もない。
「わかった」
厚彦は頷き、立ち止まる。
しかし、梓がトイレまで移動したとき、厚彦がすぐ目の前に現れた。
「キャア!?」
「ご、ごめん!」
突然現れた厚彦に、梓はまた尻もちをついてしまった。
「驚かさないでよ」
「そんなつもりじゃなかったんだ。梓が離れた直後にふっと意識が遠のいた気がして、気がついたらすぐそばに立ってたんだよ」
厚彦は困った顔で説明した。
どうやら嘘はついていないみたいだ。
狭い空間でも、厚彦の体は梓の体を通り抜けるから平気だった。
(これって体半分が幽霊に被ってる状態なんだよね……)
階段を下りながら、厚彦がいる右側だけスッと寒くなるのを感じていた。
そういえば、昨日厚彦がベッドの下にいたときも冷気を感じたのだと思いだした。
「この辺で待ってて」
梓は階段を下ったところで厚彦へ言った。
この辺にいればトイレの音を聞かれる心配もない。
「わかった」
厚彦は頷き、立ち止まる。
しかし、梓がトイレまで移動したとき、厚彦がすぐ目の前に現れた。
「キャア!?」
「ご、ごめん!」
突然現れた厚彦に、梓はまた尻もちをついてしまった。
「驚かさないでよ」
「そんなつもりじゃなかったんだ。梓が離れた直後にふっと意識が遠のいた気がして、気がついたらすぐそばに立ってたんだよ」
厚彦は困った顔で説明した。
どうやら嘘はついていないみたいだ。



