死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?

「ん? 急にモジモジしはじめて、どうしたんだ?」


首をかしげて聞く厚彦。


梓の顔はまた赤く染まり始めていた。


「本当にどうしたんだよ? まさか体調がよくないのか?」


厚彦は心配して梓の額に手を当てる。


ヒヤリとした感触。


それは生きた人間の体温ではなかった。


ハッと息を飲んで身を離す。


「あ、ごめん。つい……」


触れられたことが嫌だったのだと解釈した厚彦が咄嗟に謝る。


「ううん、平気。それより、トイレに行きたくなっちゃった」


梓は一瞬感じた恐怖感をごまかすために言った。


「あ、そっか。それならとりあえず移動しようか」


そう言って2人で部屋を出る。