「ちょっと、起きてよ!」


さっきより大きな声で言うと、厚彦が寝返りを打ち、そして目を開けた。


目の前で仁王立ちをしている梓を見て目をパチクリさせている。


「あ、そっか」


数秒の沈黙があった後、厚彦が何かを思い出したようにパンと手を叩いた。


「俺、昨日死んだんだっけ」


そう言いながら上半身を起こしてボリボリと頭をかく。